貧しい家の出身だった張緑水(チャン・ノクス)は、王族の屋敷で働く奴婢(ぬひ)と結婚して息子も産んでいた。しかし、夫と息子を置いて家出して妓生(キセン)となった。成り上がりたい、という自らの欲望を叶えるためだった。
怪しげな魔法を使ったのか
張緑水には、不思議なほど妖艶な色気があったようだ。
妓生になった張緑水は30歳を過ぎていたが、10代に間違えられることもあったという。朝鮮王朝10代王の燕山君(ヨンサングン)は、そんな張緑水が気に入って、さっそく宮中に招き入れた。
ほどなく張緑水は燕山君の側室となった。果たして、張緑水はどんな魔法を使ったというのだろうか。
なにしろ、最下層の身分だった女性が、中央集権王朝の頂点に君臨する国王を籠絡したのである。そんな状況は、怪しげな魔法を使ったとしか説明ができない。(ページ2に続く)
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