光海君が庶民のために行なった大同法とは何か

 

1608年に王位に就いた光海君(クァンヘグン)は、兄や弟の命を奪っています。王位を安定させるためとはいえ、この行ないは多くの怨みを買いました。結局、光海君は1623年に廃位となりましたが、彼が熱心に進めていた政策で善政と評価されたのが大同法です。




貢納の仕組み

大同法とは、どういう法律だったのでしょうか。わかりやすく説明するために、朝鮮王朝における納税制度を見てみましょう。
朝鮮王朝は農本主義、つまり農業を重んじる政策をとっていました。農地から得られる税が国家財政の基盤で、農民は田税(耕作する農地に応じた税)を払いました。他にも、軍役に従事し、さらに貢納の負担を負いました。この貢納というのは、その土地の特産品を地方や中央官庁に現物で納める制度です。
ただし、貢納は仕組みが複雑だったこともあり、いつ集めてどのように特産品を納めるかが不特定でした。
そこで農民と官庁の間を取り持つ代納業者が、農民に代わって貢納の特産品を納め、後で農民たちから米などによって代金をもらう仕組みが一般的になりました。
ところが、この代納業者が不当に利益をあげることが多かったのです。中には、農民から実際の10倍くらいの料金をとる悪質な者もいました。




これでは農民の負担が増すばかりです。
それを踏まえて、貢納に関して農民が直接的に米や布を官庁に納める制度に改めようとしたのが大同法です。
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