世宗の願いをふみにじった世祖の王位強奪!

 

518年という長い歴史を誇った朝鮮王朝だが、これほど“長寿”だったのは、厳格な身分制度と絶対的な王権によるところが大きい。こうした体制は初代王の太祖(テジョ)がつくり始め、3代王・太宗(テジョン)の治世時代に基盤が確立されていった。さらに、朝鮮王朝を磐石にしたのが4代王の世宗(セジョン)である。

世孫の誕生を熱望

1418年、王位に就いた世宗は、朝鮮王朝の文化をはぐくみ、生活技術の向上に尽くした。
彼は32年もの長い間、朝鮮王朝の王として手腕を振るった。
最大の業績は、民族独自の文字の「ハングル」を創製したことだ。この快挙によって、彼は朝鮮王朝最高の聖君と称賛されている。
それほど有能な王だった世宗だが、彼にも一つだけ悩みがあった。それは長男である世子(セジャ/王の正式な後継者のこと)が病弱で、二男が王位に執着をもっていたことだった。
世宗は自分の死後、王位をめぐる争いが起きないように、早くから世子に結婚を勧めた。世孫(セソン/世子の息子で、世子の次に王位継承権がある)の誕生を心待ちにしたのだった。




そこで、世子は13歳のときに4つ年上の金氏(キムシ)と結婚した。
しかし、世宗の思惑とは裏腹に、若い世子は金氏を愛することができず、彼女に近づくことすらしなかった。
(ページ2に続く)

世祖(セジョ)はなぜ朝鮮王朝でも評判が悪いのか

甥の端宗(タンジョン)から王位を奪った世祖(セジョ)の悲劇とは?

『不滅の恋人』のイ・ガンのモデルは首陽大君(スヤンデグン/世祖〔セジョ〕)!

首陽大君(スヤンテグン)〔世祖(セジョ)〕が開いた秘密会議!

世祖(セジョ)の非道!朝鮮王朝の重大な事件簿2

固定ページ:

1

2 3

関連記事

ピックアップ記事

必読!「悪女たちの朝鮮王朝」

本サイトには、「悪女」というジャンルの中に「悪女たちの朝鮮王朝」というコーナーがあります。ここでは、朝鮮王朝の歴史の中で政治的に暗躍した女性たちを取り上げています。
朝鮮王朝は儒教を国教にしていた関係で、社会的に男尊女卑の風潮が強かったのです。身分的には苦しい境遇に置かれた女性たちですが、その中から、自らの才覚で成り上がっていった人もいます。彼女たちは、肩書社会に生きる男性を尻目に奔放に生きていきましたが、根っからの悪女もいれば、悪女に仕向けられた女性もいました。
「悪女たちの朝鮮王朝」のコーナーでは、そんな彼女たちの物語を展開しています。

もっと韓国時代劇が面白くなる!

韓国時代劇によく登場する人物といえば、朝鮮王朝の国王であった中宗、光海君、仁祖、粛宗、英祖、正祖を中心にして、王妃、側室、王子、王女、女官などです。本サイトでは、ドラマに登場する人物をよく取り上げています。

ページ上部へ戻る