武官の李舜臣(イ・スンシン)

味方から矢を放たれた

1592年、朝鮮出兵の幕が開いた。
朝鮮王朝は豊臣軍の突然の襲撃に、なすすべもなくやられていく。絶望的な戦況の中で、唯一の光明は亀甲船を指揮する李舜臣の水軍だった。李舜臣は連戦連勝で豊臣軍の船を撃退した。
こうした勝利の報告を聞いて当時の王だった宣祖(ソンジョ)はようやく落ち着きを取り戻し、李舜臣に三道(全羅道、忠清道〔チュンチョンド〕、慶尚道〔キョンサンド〕の総称)の水軍統制使の役職を与えた。
水軍統制使とは現在で言う海軍の総司令官のことだ。
李舜臣の活躍によって朝鮮王朝側は劣勢を挽回し、戦は長期戦に突入した。しかし、こうした国の大事であっても奸臣たちは醜い権力争いを繰り広げ、李舜臣はそれに巻き込まれてしまう。




彼は「豊臣軍と内通している」という謀略をかけられて逮捕されてしまった。いわば味方から矢を放たれたのだ。
(ページ3に続く)

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