旧来の描き方を一変させた
さらに、4つ目の潮流としては、実在の歴史的な人物のキャラクターを際立たせた個性的な時代劇が増えてきたということです。
張禧嬪(チャン・ヒビン)を単なる悪女でなく愛に情熱を燃やす女性として描いた『チャン・オクチョン』、貞明(チョンミョン)公主を主人公にした『華政(ファジョン)』、申師任堂(シンサイムダン)を中心的に描いた『師任堂、色の日記』などが該当するでしょう。
この場合、歴史的な人物が別人のようになってしまい、「歴史の捏造だ」と批判されることもあるのですが、旧来の描き方を一変させる挑戦的な試みであることは間違いないでしょう。
いずれにしても、韓国時代劇の作品性は時代とともに変化しています。今後も制作者たちの工夫と熱意に期待したいと思います。
文=康 熙奉(カン ヒボン)
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