悲劇に見舞われた夫婦
高官たちの多くが姜氏の死罪に猛反対した。しかし、仁祖の意を受けた高官の金自点(キム・ジャジョム)が、姜氏の死罪を強く主張して形勢を引っ繰り返した。この金自点は趙氏と利害を一致させる相棒であった。
すべては、仁祖と趙氏と金自点の3人によって仕組まれていた。
罪に陥れられた哀れな姜氏は3月13日に実家に帰されてしまい、その後に自決を強要された。
それだけではなかった。
姜氏の母や兄弟たちは何の罪もないのに処刑され、彼女の息子3人は済州島(チェジュド)に流された。
さらに、そのうちの2人は不審な死を遂げている。趙氏と金自点の差し金によって殺された疑いが濃い。
悲劇に見舞われた昭顕世子と妻の姜氏。この夫婦の死に関わったとされる趙氏は、歴史的には貴人(キイン)・趙氏(チョシ)として知られる。または、昭容(ソヨン)・趙氏と呼ばれることもある。彼女は、朝鮮王朝の暗い歴史に残る悪女であった。
文=康 熙奉(カン ヒボン)
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