棚ボタで国王になった中宗(チュンジョン)/朝鮮王朝人物列伝特選2

意思を無視された即位

晋城大君の説得が行なわれる一方で、反乱軍の主力部隊は燕山君の屋敷を襲撃した。普通なら、王を守るために兵士たちは相手を迎え撃つ。しかし、燕山君に仕えていた兵士たちは、王を守ろうとせずに逃げ出してしまった。
クーデターが起きたことを知った燕山君は、怯えはじめる。そんな王の姿を心の中で笑っていた者たちは、外の様子を見に行くと言って逃げてしまう。傍若無人な暴君を命を賭してまで守ろうとする者はいなかったのだ。




こうして、反乱はあっさりと成功。燕山君は王位をはく奪されて地方に追放されてしまう。しかし、問題があった。晋城大君がいまだに即位を拒んでいたのだ。
反乱の功臣たちは晋城大君を王にしようと説得を続けていた。それは徐々に熱を帯びていき、やがて「もはや拒否できない」と感じた彼はようやく11代王・中宗として即位した。このクーデターが「中宗反正(チュンジョンパンジョン)」である。
(ページ3に続く)

中宗(チュンジョン)はなぜ端敬(タンギョン)王后を守れなかったのか

中宗(チュンジョン)が離縁した端敬(タンギョン)王后の悲しき人生!

『七日の王妃』歴史解説!燕山君(ヨンサングン)と中宗(チュンジョン)と端敬(タンギョン)王后の運命

中宗(チュンジョン)はなぜ文定(ムンジョン)王后の悪行を止めなかった?

中宗(チュンジョン)と趙光祖(チョ・グァンジョ)!朝鮮王朝全史11

固定ページ:
1

2

3

関連記事

ピックアップ記事

必読!「悪女たちの朝鮮王朝」

本サイトには、「悪女」というジャンルの中に「悪女たちの朝鮮王朝」というコーナーがあります。ここでは、朝鮮王朝の歴史の中で政治的に暗躍した女性たちを取り上げています。
朝鮮王朝は儒教を国教にしていた関係で、社会的に男尊女卑の風潮が強かったのです。身分的には苦しい境遇に置かれた女性たちですが、その中から、自らの才覚で成り上がっていった人もいます。彼女たちは、肩書社会に生きる男性を尻目に奔放に生きていきましたが、根っからの悪女もいれば、悪女に仕向けられた女性もいました。
「悪女たちの朝鮮王朝」のコーナーでは、そんな彼女たちの物語を展開しています。

もっと韓国時代劇が面白くなる!

韓国時代劇によく登場する人物といえば、朝鮮王朝の国王であった中宗、光海君、仁祖、粛宗、英祖、正祖を中心にして、王妃、側室、王子、王女、女官などです。本サイトでは、ドラマに登場する人物をよく取り上げています。

ページ上部へ戻る