意外だった粛宗の態度
淑嬪・崔氏のほうに張禧嬪を排除したくなる明確な理由があります。
確かに呪詛物はあったのでしょうが、誰が埋めたかわからないのです。淑嬪・崔氏が埋めて自ら告発するというのも、ありえない話ではありません。
奇妙なことに、粛宗は張禧嬪を自害させる前の日に新しい法律を発令しました。「今後一切、側室から王妃に昇格させない」というものです。なんのために、こんな法律を作ったのでしょうか。
仁顕王后がすでに亡くなり、張禧嬪の死罪が決まれば、淑嬪・崔氏が空いた王妃の座に上がると思われても不思議はありません。そんな状況で粛宗は側室から王妃になれないようにしました。明らかに、新法の標的は淑嬪・崔氏なのです。
さらに、粛宗が新しい正室として仁元(イヌォン)王后を迎えたとき、淑嬪・崔氏を王宮の外に出してしまい、以後は一度も会った形跡がありません。仁顕王后と張禧嬪を失った粛宗がさらに淑嬪・崔氏を寵愛するかと思いきや、逆にすごく冷たくなったのです。(ページ3に続く)