実家に戻された王妃
高官たちの強硬な意見をやむなく受け入れてきた中宗だが、妻の離縁だけは同意するわけにはいかなかった。
彼は、愛妻を守るために、何度も高官たちと話し合った。しかし、その願いは届かず、高官たちに従わざるをえなかった。
離縁しなければ端敬王后を「殺害すべき」という仰天発言まで出てしまい、中宗は仕方なく受け入れたのである。
その結果、端敬王后は庶民に格下げとなり、宮中から追放されてしまう。
実家に戻った端敬王后。中宗は彼女のことが忘れられなかった。もとはと言えば、中宗が弱気すぎて愛する妻を離縁せざるをえなかったのだが……。
中宗は、端敬王后を思い出すたびに、遠くを見渡せるようにと王宮の一番高い場所へ上がっていった。
そして、彼女の実家の方向を眺めてはため息をもらすのだった。(ページ3に続く)