長今(チャングム)の例
朝鮮王朝時代の社会に浸透していた儒教は、男尊女卑の風潮が強かった。同時に、男女が気軽に交流することを厳しく戒めた。つまり、「男女七歳にして席を同じにしない」というわけだ。
こうなると、専門的な仕事の面で男性だけでは対応できない場合があった。
たとえば、医者がそうである。
当時の女性は、男性の医者の診察を受けることを嫌がった。特に、女性の患者は男性の医者に肌をさわられることを嫌悪したのだ。
そうした理由で、医者の診察を受けずに病状を悪化させる女性が多かった。
結果的に医女の必要性が高まり、歴史的にも長今(チャングム)のような女性医師が登場するようになった。彼女の存在は『宮廷女官 チャングムの誓い』が大ヒットして現代韓国でも広く知られるようになったが、長今はまさに儒教社会の倫理観の中から生まれた医女なのである。(ページ3に続く)
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