戻ってきた張禧嬪
明聖王后は1683年に世を去った。
すると、再び仁顕王后は人の良さをさらけだす。王のためには寵愛する女性が必要だと考え、張禧嬪(チャン・ヒビン)を宮中に呼び戻すことを粛宗(スクチョン)に進言したのである。
もちろん、粛宗に異論があるはずがない。彼はただちに張禧嬪を呼び戻した。
本来なら、自分を宮中に呼び戻してくれた仁顕王后に感謝して当然なのに、張禧嬪の態度はむしろ逆だった。
ある日、粛宗が張禧嬪をからかうと、彼女はわざとらしく仁顕王后のもとに駆けつけて
「助けてください」と大げさに言った。これは、自分がいかに粛宗に愛されているかを見せつけるためだった。
「王の意にもっと従わなければいけませんよ」
仁顕王后がそう忠告しても、張禧嬪は顔をそむけるばかりだった。
その後は、仁顕王后が張禧嬪を呼んで何かを言いつけても、横柄な態度を示すだけとなり、しまいには呼んでも無視する場合すらあった。(ページ4に続く)