端宗(タンジョン)!叔父に王の座を奪われた国王

世祖に振り回された端宗

金宗瑞を倒した首陽大君はそのまま端宗のところへ行き、金宗瑞を排除したこと、皇甫仁を排除しなければならないと伝えた。それを聞いた端宗は叔父である首陽大君に恐怖を感じて、言われるがまま高官を招集する王命を出す。
首陽大君の同志の1人である韓明澮は、王命により王宮に集まってきた高官たちを狭い門から1人ずつ入らせるように仕向けた。高官たちの中には、首陽大君を批判する者もいて、その者たちは門をくぐったところで殺害され、皇甫仁も無抵抗のまま殺された。これが「癸酉靖難(ケユジョンナン)」である。




こうして最高権力者になった首陽大君は、1455年に7代王・世祖(セジョ)として即位する。強引に王の座を奪われた端宗、そんな彼に忠誠を誓う者たちがいる。それが成三問(ソン・サムムン)を中心とした「死六臣」だ。彼らは、端宗を王に戻すため、世祖の暗殺を企てる。
しかし、それは失敗に終わってしまい、成三問たちは処刑された。
その後、世祖は「端宗を生かしたままにしておけば、また今回のようなことが起こるかもしれない」と思い、甥である端宗を死罪にした。こうして、端宗は1457年に16歳という若さで世を去った。

文=康 大地(コウ ダイチ)
提供=「ロコレ」

固定ページ:
1 2

3

関連記事

ピックアップ記事

必読!「悪女たちの朝鮮王朝」

本サイトには、「悪女」というジャンルの中に「悪女たちの朝鮮王朝」というコーナーがあります。ここでは、朝鮮王朝の歴史の中で政治的に暗躍した女性たちを取り上げています。
朝鮮王朝は儒教を国教にしていた関係で、社会的に男尊女卑の風潮が強かったのです。身分的には苦しい境遇に置かれた女性たちですが、その中から、自らの才覚で成り上がっていった人もいます。彼女たちは、肩書社会に生きる男性を尻目に奔放に生きていきましたが、根っからの悪女もいれば、悪女に仕向けられた女性もいました。
「悪女たちの朝鮮王朝」のコーナーでは、そんな彼女たちの物語を展開しています。

もっと韓国時代劇が面白くなる!

韓国時代劇によく登場する人物といえば、朝鮮王朝の国王であった中宗、光海君、仁祖、粛宗、英祖、正祖を中心にして、王妃、側室、王子、王女、女官などです。本サイトでは、ドラマに登場する人物をよく取り上げています。

ページ上部へ戻る