要点でまとめた朝鮮王朝518年の歴史(前編)

1392年に建国

朝鮮王朝を建国した初代王の李成桂(イ・ソンゲ)は、もともと高麗王朝の武将で、異民族の侵攻を防いだ功績によって大出世をとげていった。
1388年、中国大陸の明は朝鮮半島北部の領土を狙う動きを見せた。これに対して高麗は討伐軍を出すことになり、李成桂が総大将に選ばれた。
しかし、この遠征に李成桂は反対だった。小国が大国に歯向かうのはさらなる災いを招くと考えていたからだ。
しかし、王の命令であれば仕方がない。李成桂は大軍を率いて北方まで進んだが、ここで彼は全軍に向かって都に引き返す大号令をかけた。腐敗した王朝を滅ぼす決断をしたのである。




李成桂は都の開京(ケギョン)を攻め落とし、高麗の王を追放した。その後は傀儡の王を据えたが、やはり自分が王朝を開きたいという野心を抑えられなくなり、1392年に自ら新しい王になって朝鮮王朝を建国した。
彼がまず行なったことは、高麗の残党の殲滅(せんめつ)と遷都である。特に、風水を念入りに調べてから1394年に都を漢陽(ハニャン/現在のソウル)に移した。そして、急ピッチで王宮を建て、儒教を国教とする新しい王朝の基盤作りに励んだ。
しかし、後継者の座をめぐって李成桂の息子たちが骨肉の争いを繰り広げ、王朝は最初から危機に陥った。(ページ4に続く)

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