2018年に韓国で販売された小説本の中で、日本人作家の割合が31%に達し、韓国人作家の29・9%を上回った。まさに、驚くべき逆転現象が起きたのだ。
東野圭吾が大人気
なぜ、日本の小説は韓国でとても人気があるのだろうか。
一番の人気作家は東野圭吾だ。小説『ナミヤ雑貨店の奇蹟』は2018年7月25日に100万部以上も売れていることが明らかになった。電子書籍版を入れると、合計で120万部を突破したという。人口5000万人に過ぎない韓国では、異様なほどの売れ方である。
この『ナミヤ雑貨店の奇蹟』が韓国で発売されたのは、2012年の12月であった。最初はそれほど売れなかったのだが、読者の間で口コミで評判が広がっていき、ロングセラーとなった。
何と言っても、韓国の大型書店「教保文庫」のベストセラー集計では、5年連続で総合10位以内に入っている。
とにかく、読者層が広い。
文を尊ぶ国
2017年の韓国の図書館の貸し出し状況を調べみよう。
『ナミヤ雑貨店の奇蹟』が20代で1位、40代で2位、30代で3位、10代で4位となっている。
このように、『ナミヤ雑貨店の奇蹟』の人気は別格だ。
もともと、韓国では日本の小説家が注目されている。
特に村上春樹の小説は常にベストセラーになるし、その他でも、日本の作家の翻訳版は数多く出て相応の人気を得ている。
そこには、韓国の小説事情もからんでいる。
儒教思想の影響で「文を尊ぶ国」である韓国では、小説というと「いかに人間は生きるか」という純文学系のものがとても多い。
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なるほど韓国34「韓国で増えてきた『ランチタイムお見合い』とは?」