歴史が物語る!朝鮮王朝と徳川幕府の違い

長く続いた蜜月

朝鮮王朝の官職は世襲ではない。
王位を除けば、暗愚な御曹司が出てくる余地はなかった。
弱い立場だったのが朝鮮王朝の武官たちで、常に文官の下に位置づけられ、政権の中枢を担うことができなかった。
ここが日本との決定的な違いだ。日本では中央の徳川幕府であれ地方の各藩であれ、政治を仕切るのはすべて武士であった。
しかも、その身分は世襲によって守られた。




武士と文官。
政治を誰が仕切っているか、という根本的な問題で、徳川幕府と朝鮮王朝は明らかに違っていた。
朝鮮通信使を介して行なわれた外交では、格式と序列の扱いをめぐって紛糾することが多かったが、それは文官と武官の考え方の違いから生じていた。
それでも、両国は260年間も善隣友好を維持した。長い両国の歴史の中でも、その蜜月ぶりは特筆すべきことだった。

文=康 熙奉(カン ヒボン)

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