世宗(セジョン)と正祖(チョンジョ)の実例!朝鮮王朝の王の食膳とは?

 

朝鮮王朝の王の食膳には、超豪華な料理がズラリと並ぶのが通例だった。「食べきれないのに、なぜあんなに多くの品数を出すのだろうか」と疑問に思えるが、あれは食べるための料理ではなかったのである。それでは何のためなのか?

とても小食だった国王

実は、王の食膳は市場に出ている食材のすべてを使うように工夫されていた。いわば、「食品の見本市」という役割があったのである。その食膳を見て、王は全国の食料事情がどのようになっているのかを察することができた。
仮に、夏にもかかわらず旬のキュウリが欠けていれば、それはキュウリの収穫に大きな問題が起こっていることを暗示していた。王はすぐに「キュウリの生産状況を調べるように!」という命令を出したのである。




このように、王の食膳は「見るため」のものだったので、歴代王はガツガツ食べるようなことはしなかった。ドラマ『イ・サン』の主人公になった22代王・正祖(チョンジョ)にいたっては、3品に軽く箸をつける程度の小食だったという。
ただし、大量に残っても無駄ではなかった。なぜなら、王が残した料理は、それを調理した女官たちが食べるしきたりになっていたからだ。
このときばかりは女官たちも豪華な料理を堪能することができた。それを察して、名君のほまれが高い正祖は、あえて小食に徹したのかもしれない。(ページ2に続く)

世宗(セジョン)/朝鮮王朝おどろき国王列伝6

ハングルを作った世宗(セジョン)!朝鮮王朝全史4

正祖(チョンジョ)/朝鮮王朝おどろき国王列伝5

正祖(チョンジョ)の宿敵だった貞純(チョンスン)王后/悪女たちの朝鮮王朝2

固定ページ:

1

2

関連記事

ピックアップ記事

必読!「悪女たちの朝鮮王朝」

本サイトには、「悪女」というジャンルの中に「悪女たちの朝鮮王朝」というコーナーがあります。ここでは、朝鮮王朝の歴史の中で政治的に暗躍した女性たちを取り上げています。
朝鮮王朝は儒教を国教にしていた関係で、社会的に男尊女卑の風潮が強かったのです。身分的には苦しい境遇に置かれた女性たちですが、その中から、自らの才覚で成り上がっていった人もいます。彼女たちは、肩書社会に生きる男性を尻目に奔放に生きていきましたが、根っからの悪女もいれば、悪女に仕向けられた女性もいました。
「悪女たちの朝鮮王朝」のコーナーでは、そんな彼女たちの物語を展開しています。

もっと韓国時代劇が面白くなる!

韓国時代劇によく登場する人物といえば、朝鮮王朝の国王であった中宗、光海君、仁祖、粛宗、英祖、正祖を中心にして、王妃、側室、王子、王女、女官などです。本サイトでは、ドラマに登場する人物をよく取り上げています。

ページ上部へ戻る