『イニョプの道』の理解のために知っておきたい身分制度!

常民と賤民

中人に続くのが、人口の大半を占めた一般階層の常民(サンミン)である。
常民は主に農業や漁業などで生計を立てたが、その日の生活に困る人が多く、子に高度な教育を与えるなどとてもできなかった。結局、常民の家に生まれた子は、常民として生きるしかなかったのだ。
常民の下の最下層の身分が賤民(チョンミン)である。ここに奴婢も含まれている。




奴婢というのは売買される対象であり、自ら職業や住居を選ぶ自由もなかった。結婚が許されていたため家族をもつことはできたが、賤民の子は賤民であり、厳しい身分制度から抜け出すことはできなかった。
一方、『イニョプの道』の序盤、イニョプの父親は反逆罪の濡れ衣を着せられて処刑されてしまう。こうして、イニョプは罪人の子として奴婢に身を落とす。まさに、悲劇的な境遇といえよう。
朝鮮王朝時代ではイニョプのように、身内が大罪を犯したことによって、奴婢に落とされるという事例はいくつもあった。その代表的な人物が、時代劇『王女の男』にも登場した敬恵(キョンヘ)王女だ。(ページ3に続く)

『イニョプの道』の時代背景を解説!

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