号泣する男たち
西宮に送った使者から仁穆王后の怒りを知った綾陽君は、儀仗兵(王族や高官を警護する兵)たちを組織して、西宮の仁穆王后を王宮に迎えようとした。だが、それも仁穆王后は拒否した。
「とてもお怒りのようだ。私が直接、出向いて行こう」
そう決心して、綾陽君は自ら西宮に行き、門の前にひれ伏した。恭順の姿勢を示したのである。
クーデターを成功させた張本人が、謙虚な態度を取ったことで、仁穆王后も徐々に怒りを解いた。
「綾陽君が王位を継ぐのも当然だ。大きな功績を成し遂げたのだから……」
仁穆王后のその言葉が綾陽君に伝えられた。彼はようやく許しを得て、西宮の中庭に入ることができた。
仁穆王后の登場を待っている間、綾陽君は感情が高ぶってきて号泣してしまった。すると、彼に従っていた側近たちもこぞって泣き始めた。男たちはみんな、クーデターの成功を実感できたのだ。(ページ4に続く)
光海君(クァンヘグン)が仁穆(インモク)王后に復讐された日(後編)