世祖(セジョ)!甥から王位を奪った国王

DSCF7713

王宮では王位をめぐる様々な争いがあった

首陽大君が起こした政変

首陽大君はその後、端宗のもとへ向かい、「皇甫仁と金宗瑞が国の乗っ取りを図りました」と訴えた。
首陽大君の次の狙いは、端宗のもう1人の補佐役である皇甫仁である。彼を倒すために首陽大君は端宗に高官を招集させる王命を出すように依頼した。
本来、端宗は王なので首陽大君の言うことを聞く必要はないのだが、強い力を持った叔父に対してそれができず、ただ言うことを聞くしかなかった。
そして、端宗の王命によって集まってきた高官たちを、韓明澮は狭い門から1人ずつ入ってくるように仕向け、首陽大君に批判的な高官を見つけるとその場で次々と切り殺していった。
首陽大君が起こしたこの政変は「癸酉靖難(ケユジョンナン)」と呼ばれている。




1455年、首陽大君は甥である端宗から王の座を強奪して7代王・世祖となった。しかし、無理やり王の座を奪った世祖を批判的に捉える者がいなくなったわけではない。
その代表格が成三問(ソン・サムムン)を中心とする「死六臣(サユクシン)」である。彼らは端宗を復位させようと世祖暗殺計画を実行に移そうとしたが、失敗して捕えられてしまう。
世祖は、成三問たちに「余を王と認めれば助けてやろう」と言ったが、誰も世祖を王とは認めず、罵倒し続けた。
それにより彼らは全員処刑されてしまった。(ページ4に続く)

固定ページ:
1 2

3

4

関連記事

ピックアップ記事

必読!「悪女たちの朝鮮王朝」

本サイトには、「悪女」というジャンルの中に「悪女たちの朝鮮王朝」というコーナーがあります。ここでは、朝鮮王朝の歴史の中で政治的に暗躍した女性たちを取り上げています。
朝鮮王朝は儒教を国教にしていた関係で、社会的に男尊女卑の風潮が強かったのです。身分的には苦しい境遇に置かれた女性たちですが、その中から、自らの才覚で成り上がっていった人もいます。彼女たちは、肩書社会に生きる男性を尻目に奔放に生きていきましたが、根っからの悪女もいれば、悪女に仕向けられた女性もいました。
「悪女たちの朝鮮王朝」のコーナーでは、そんな彼女たちの物語を展開しています。

もっと韓国時代劇が面白くなる!

韓国時代劇によく登場する人物といえば、朝鮮王朝の国王であった中宗、光海君、仁祖、粛宗、英祖、正祖を中心にして、王妃、側室、王子、王女、女官などです。本サイトでは、ドラマに登場する人物をよく取り上げています。

ページ上部へ戻る