母の文定王后が明宗を殺したも同然だった!

 

邪魔したのは誰か?

明宗は、教養のある王であった。
しかし、母の摂政が長かったために成人後にも独自の政治理念を発揮することができなかった。
そして、実母と叔父が悪政を続けた。
不運にも16世紀なかばには凶作が続いた。人々の暮らしは困窮したが、もはや政治が民を救済することはできなかった。
1565年、文定王后は64歳で人々の怨嗟(えんさ)が満ちあふれたこの世を去った。こうなると、取り巻きの立場は一気に危うくなる。文定王后の威光にすがっていた尹元衡と鄭蘭貞は逃亡した末に自決せざるをえなくなった。
このとき明宗は31歳。混乱した国政を立て直すことを期待されたのだが、もはや彼には生気が残っていなかった。




1567年、明宗は33歳で亡くなった。
名君になる素質があったのに、それをことごとく邪魔したのが、2年前に世を去っていた実母の文定王后だった。

文=康 熙奉(カン ヒボン)

文定王后が継母だったことが仁宗の悲劇!

文定(ムンジョン)王后と鄭蘭貞(チョン・ナンジョン)が仕組んだ悪行

中宗(チュンジョン)はなぜ文定(ムンジョン)王后の悪行を止めなかった?

『オクニョ』に登場する実在の人物で一番のワルは文定(ムンジョン)王后!

悪の手先だった鄭蘭貞(チョン・ナンジョン)

固定ページ:
1

2

関連記事

ピックアップ記事

必読!「悪女たちの朝鮮王朝」

本サイトには、「悪女」というジャンルの中に「悪女たちの朝鮮王朝」というコーナーがあります。ここでは、朝鮮王朝の歴史の中で政治的に暗躍した女性たちを取り上げています。
朝鮮王朝は儒教を国教にしていた関係で、社会的に男尊女卑の風潮が強かったのです。身分的には苦しい境遇に置かれた女性たちですが、その中から、自らの才覚で成り上がっていった人もいます。彼女たちは、肩書社会に生きる男性を尻目に奔放に生きていきましたが、根っからの悪女もいれば、悪女に仕向けられた女性もいました。
「悪女たちの朝鮮王朝」のコーナーでは、そんな彼女たちの物語を展開しています。

もっと韓国時代劇が面白くなる!

韓国時代劇によく登場する人物といえば、朝鮮王朝の国王であった中宗、光海君、仁祖、粛宗、英祖、正祖を中心にして、王妃、側室、王子、王女、女官などです。本サイトでは、ドラマに登場する人物をよく取り上げています。

ページ上部へ戻る