なるほど韓国24「されど韓国の女性は強し!」

「鉄の女」の国

先述したように、朝鮮王朝時代の妻は、夫から勝手に離縁されても文句が言えなかった。そればかりか、女性は再婚することも許されていなかったのである。社会制度というものが、女性にはあまりに冷たかった。
そんな朝鮮王朝時代の社会通念は、韓国が建国された後もしばらくは残っていた。わかりやすく言えば、男尊女卑の風潮が根強かったのである。
しかし、逆風は強い意志を育てる。
差別されてきた女性が弱いかと言うと、決してそんなことはない。口論になったら男性は絶対に女性に勝てないし、生活力のない夫に代わって食堂を経営する逞しい女性は韓国中にたくさんいる。
何よりも、韓国ドラマを見れば一目瞭然である。「鉄の女」が次々に出てくるではないか。あれは、誇張でも何でもない。肩書に頼って見かけ倒しになっている男を凌駕する女性たちが、韓国社会を支えていると言っても過言ではないのだ。




私の母も弱くなかった。普段は優しく日本語で話していた母も、父と大喧嘩になったときは、済州島の強い訛りが入った韓国語で父をやりこめていた。
今、韓国は女性大統領の時代になった。世の中がすっかり変わったことを、男たちは骨身に沁みて痛感しなければならないだろう。

文=康 熙奉〔カン・ヒボン〕
構成=「歴史カン・ヒボン」編集部

なるほど韓国1「韓国には老舗がほとんどない」

なるほど韓国2「食べ残す韓国、残さない日本」

なるほど韓国3「死罪の方法もこんなに違う」

なるほど韓国22「ぼられる楽しみ」

なるほど韓国23「極端な少数精鋭主義の韓国スポーツ界」

なるほど韓国25「日韓の新聞を読み比べてみれば」

固定ページ:
1 2 3

4

関連記事

ピックアップ記事

必読!「悪女たちの朝鮮王朝」

本サイトには、「悪女」というジャンルの中に「悪女たちの朝鮮王朝」というコーナーがあります。ここでは、朝鮮王朝の歴史の中で政治的に暗躍した女性たちを取り上げています。
朝鮮王朝は儒教を国教にしていた関係で、社会的に男尊女卑の風潮が強かったのです。身分的には苦しい境遇に置かれた女性たちですが、その中から、自らの才覚で成り上がっていった人もいます。彼女たちは、肩書社会に生きる男性を尻目に奔放に生きていきましたが、根っからの悪女もいれば、悪女に仕向けられた女性もいました。
「悪女たちの朝鮮王朝」のコーナーでは、そんな彼女たちの物語を展開しています。

もっと韓国時代劇が面白くなる!

韓国時代劇によく登場する人物といえば、朝鮮王朝の国王であった中宗、光海君、仁祖、粛宗、英祖、正祖を中心にして、王妃、側室、王子、王女、女官などです。本サイトでは、ドラマに登場する人物をよく取り上げています。

ページ上部へ戻る