なるほど韓国7「舟盛りVS大皿いっぱい盛り」

2

これが前座で出てくる無料の魚介類

最後はアラが鍋になる

魚の種類とキロ数が決定すると、とたんに注文していない魚介類が次々に出てくる。ホヤ、カキ、イカ、アワビ、ウニ、サザエの刺し身に、サバやタチウオの焼き魚……。次々に美味しいものが食卓に並ぶ。
「こんなの注文してないよ」
そう嘆かなくていい。メインの魚一匹を注文すると、まずは無料の付きだしがズラリと並ぶのが韓国スタイルなのである。
冷えた焼酎を飲みながら、先に出された魚介類を食べていると、真打ちの刺し身が出てくる。一匹丸ごとさばいているので、大皿に並びきれないほどの量になっている。食べきれない。そう思えるほどの多さだ。
しかし、食べ始めると箸が止まらない。さばいたばかりの新鮮な刺し身は抜群の旨さなのである。
大満足で食べ終えると、今度は店の人が「メウンタン(辛い鍋)にしますか?」と聞いてくる。なんのことかというと、刺し身を取ったあとのアラはどんな鍋にして食べるか、という意味なのである。「辛い鍋にするか、辛くない鍋にするか」という選択を迫られるわけだ。
「メウンタンにして!」




そういうと、ほどなくテーブルにメウンタンとご飯が運ばれる。この辛い鍋がまた絶品である。魚のダシがよく効いている。
こうして、魚一匹をアラまで食べつくすという壮大な食事が終わる。かかる料金は、魚一匹の代金のみである。それに酒代がプラスとなる。
感覚的には、日本であれこれの刺し身を注文するよりは安上がりだ。おまけに、「前座の魚介類、メインの丸一匹の刺し身、おまけのメウンタン」という組み合わせは、満足度がかなり高い。いかにも、食欲を過剰に満たすことが必須の韓国らしい刺し身の食べ方だ、と言える。

文=康 熙奉〔カン・ヒボン〕
構成=「歴史カン・ヒボン」編集部

なるほど韓国1「韓国には老舗がほとんどない」

なるほど韓国2「食べ残す韓国、残さない日本」

なるほど韓国3「死罪の方法もこんなに違う」

なるほど韓国5「すべての一族が家系書を作り続けた国」

なるほど韓国6「韓国の鉄道では何が起こるかわからない」

なるほど韓国8「実際に文字を作ってしまった国王」

固定ページ:
1

2

関連記事

ピックアップ記事

必読!「悪女たちの朝鮮王朝」

本サイトには、「悪女」というジャンルの中に「悪女たちの朝鮮王朝」というコーナーがあります。ここでは、朝鮮王朝の歴史の中で政治的に暗躍した女性たちを取り上げています。
朝鮮王朝は儒教を国教にしていた関係で、社会的に男尊女卑の風潮が強かったのです。身分的には苦しい境遇に置かれた女性たちですが、その中から、自らの才覚で成り上がっていった人もいます。彼女たちは、肩書社会に生きる男性を尻目に奔放に生きていきましたが、根っからの悪女もいれば、悪女に仕向けられた女性もいました。
「悪女たちの朝鮮王朝」のコーナーでは、そんな彼女たちの物語を展開しています。

もっと韓国時代劇が面白くなる!

韓国時代劇によく登場する人物といえば、朝鮮王朝の国王であった中宗、光海君、仁祖、粛宗、英祖、正祖を中心にして、王妃、側室、王子、王女、女官などです。本サイトでは、ドラマに登場する人物をよく取り上げています。

ページ上部へ戻る