中宗(チュンジョン)/朝鮮王朝おどろき国王列伝12

自分の政治ができなかった

さらに問題だったのが、中宗が三番目の正室として迎えた文定(ムンジョン)王后だ。この女性は自分が産んだ息子を王位につけるために、中宗の先妻が産んだ子供を殺害しようとして王宮を混乱させる。
こうした出来事は、中宗の統率力のなさが引き起こしている。彼自身も、重臣に頭が上がらない状況を打破しようと、儒教的賢人政治をめざした趙光祖(チョ・グァンジョ)を重用したが、中宗は結局、趙光祖の理念を理解できず、彼の一派を追放してしまう。そのうえで趙光祖を死罪にした。




このように、中宗は準備不足のまま王になってしまい、クーデターを成功させた重臣たちに完全に仕切られて自分の政治ができなかった。
それではいけないと、理想に燃えた趙光祖らを重用して独自の政治を行なおうとしたが、結局は失敗してしまう。
中宗の治世時代はさしたる外敵がなく、国内が安定していた時期だったが、歴史的には中宗の不甲斐なさばかりが目立つ。
嫌々ながら王になったが、やはり自分はその器でないと中宗は悶々と思い続けていたのではないだろうか。
(ページ3に続く)

朝鮮王朝実録が記した燕山君(ヨンサングン)の追放と中宗(チュンジョン)の即位!

中宗(チュンジョン)と趙光祖(チョ・グァンジョ)!朝鮮王朝全史11

中宗(チュンジョン)が離縁した端敬(タンギョン)王后の悲しき人生!

中宗(チュンジョン)はなぜ端敬(タンギョン)王后を守れなかったのか

中宗(チュンジョン)はなぜ文定(ムンジョン)王后の悪行を止めなかった?

固定ページ:
1

2

3

関連記事

ピックアップ記事

必読!「悪女たちの朝鮮王朝」

本サイトには、「悪女」というジャンルの中に「悪女たちの朝鮮王朝」というコーナーがあります。ここでは、朝鮮王朝の歴史の中で政治的に暗躍した女性たちを取り上げています。
朝鮮王朝は儒教を国教にしていた関係で、社会的に男尊女卑の風潮が強かったのです。身分的には苦しい境遇に置かれた女性たちですが、その中から、自らの才覚で成り上がっていった人もいます。彼女たちは、肩書社会に生きる男性を尻目に奔放に生きていきましたが、根っからの悪女もいれば、悪女に仕向けられた女性もいました。
「悪女たちの朝鮮王朝」のコーナーでは、そんな彼女たちの物語を展開しています。

もっと韓国時代劇が面白くなる!

韓国時代劇によく登場する人物といえば、朝鮮王朝の国王であった中宗、光海君、仁祖、粛宗、英祖、正祖を中心にして、王妃、側室、王子、王女、女官などです。本サイトでは、ドラマに登場する人物をよく取り上げています。

ページ上部へ戻る