善徳(ソンドク)女王はこんな人だった/三国時代人物列伝3

霊感が強かった

638年には、高句麗が新羅の北側の領土を攻めてきて、民衆たちが驚いて山のなかに逃げ込むという出来事があった。善徳女王は、民衆に落ちつくように呼びかけ、すぐに大軍を北方に派遣して高句麗の兵と戦い、これに勝利した。
彼女は、人が気づかないことを察する霊感が強かった。
それは、ある年の夏のことだった。王宮の西に玉門池という池があり、そこに大量のヒキガエルが集まっていた。




善徳女王はその様子を見てすぐに驚いた。
「ヒキガエルが怒ったような目をしている。きっと、兵士の相を表しているのよ」
ここまで言ったあと、彼女はとっさに気づいた。それは、新羅の領土の西南に玉門谷という谷があることだった。
「ヒキガエルの怒った目でわかったわ。玉門谷にきっと敵がいるはずよ」
善徳女王の命令を受けて新羅兵が駆けつけてみると、なんと百済の兵が谷に潜んでいた。その数は500人。彼らは油断していた。新羅軍は機先を制して百済軍を急襲して全滅させた。善徳女王の恐ろしいほどの霊感が新羅の窮地を救ったのだ。
(ページ3に続く)

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