朝鮮王朝が長寿王朝になったのは太宗(テジョン)のおかげ!

強大な国王だった

王になった太宗だったが、悩みの種は父である太祖との不和だった。
太祖は息子の即位を認めず、王の証である玉璽(ぎょくじ)を持って故郷の咸興(ハムン)に引きこもってしまった。
太宗は、重ねて太祖に使者を送った。しかし、使者たちはことごとく殺されて都に戻ってこなかった。




こうして親子の不和は続いたが、最後は太祖が信頼する無学(ムハク)大師に説得されて、玉璽を太宗に渡した。
このように父の許しを得た太宗は、名実ともに朝鮮王朝の国王となり、創設まもない王朝の基盤づくりに実力を発揮した。
朝鮮王朝が518年間も続いた長寿王朝になったのは、3代王の太宗の功績がとても大きい。
そういう意味でも、朝鮮王朝の27人の王の中で、太宗は一番の権力を持った強大な王であった。

文=康 熙奉(カン ヒボン)

太宗について紹介している『いまの韓国時代劇を楽しむための朝鮮王朝の人物と歴史』(康熙奉〔カン・ヒボン〕著/実業之日本社)

康 熙奉(カン ヒボン)
1954年東京生まれ。在日韓国人二世。韓国の歴史・文化と、韓流および日韓関係を描いた著作が多い。特に、朝鮮王朝の読み物シリーズはベストセラーとなった。主な著書は、『知れば知るほど面白い朝鮮王朝の歴史と人物』『朝鮮王朝の歴史はなぜこんなに面白いのか』『日本のコリアをゆく』『徳川幕府はなぜ朝鮮王朝と蜜月を築けたのか』『悪女たちの朝鮮王朝』『宿命の日韓二千年史』『韓流スターと兵役』など。最新刊は『いまの韓国時代劇を楽しむための朝鮮王朝の人物と歴史』

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