イ・ソンゲ/李成桂は、どんな人物だったのか?

嫌々ながらの進軍

無学大師は李成桂の話を聞いて、こう言った。
「古い家は高麗を指していて、3本の柱は家の重要な部分であり、それを背負ったということは、あなたは王になる運命だ」
李成桂は心から驚いたが、やがてはその気になっていった。
1388年、元を滅ぼして新たに中国大陸を統一した明は、高麗に対して領土を差し出すように通告してきた。
これに対して、高麗王は李成桂に10万の大軍を預け、明を討つように命じた。




しかし、高麗で最高位の将軍になっていた李成桂は、この戦いに否定的だった。
彼は大国と戦争をするのは間違っていると述べて中止を求めるが、高麗王の決意は変わらなかった。
王の命令に逆らえなかった李成桂は、遠征軍を率いて北方へ進軍を開始した。しかし、高麗の軍勢は、連日降り注ぐ雨によって、朝鮮半島北部の鴨緑江(アムノッカン)に位置する中州の威化島(ウィファド)で足止めされてしまう。
もとから遠征に反対だった李成桂は、兵の士気が下がっていることを感じ、全軍を引き返すことにした。
しかも、以前見た夢を思い出し、自分が王になろうと決断。攻撃の矛先を高麗の都・開京(ケギョン)に向けた。(ページ3に続く)

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