真相を語る張禧嬪(チャン・ヒビン)/朝鮮王朝劇場1

王宮こそが人生のすべて

淑嬪・崔氏の告発を受けて調べたら確かに呪詛物が出てきたが、それを張禧嬪が埋めたという確証はなかった。淑嬪・崔氏が告発をして自分で埋めたという可能性が大いにあった。むしろ、淑嬪・崔氏が自分の産んだ王子を王にするためには、そこまでやらなければならなかったはずだ。
張禧嬪には呪詛をする動機がなかったが、淑嬪・崔氏には張禧嬪を陥れる動機があった。そういう意味では、疑わしいのは淑嬪・崔氏のほうではなかったのか。
さらに聞いてみた。




「あなたは、淑嬪・崔氏に陥れられて死罪になってしまったわけですね」
「そうなんです。私は何度も『自分がやったのではない』と弁明しましたが、主上(チュサン/王のこと)は信じてくれませんでした。そのことが一番悲しかったですね。でも、私には我が息子の世子を王にしたいという強い願望があったので、そのことだけを願いながら毒薬を飲んだのです」
そう語る張禧嬪は、400年以上前のことを振り返りながら悲壮な表情を浮かべた。そんな彼女が現代によみがえって、なぜ景福宮で入場券を売っているのだろうか。そのことについて、張禧嬪はこう語った。
「私にとって、王宮こそが人生だったのです。女官から側室になり、さらに王妃にのぼりつめたけれど、結局は頂点から転落してしまいました。でも、王宮こそが私の夢の場所であり、人生のすべてでした。400年たった今でも王宮から離れられないのです」
張禧嬪は景福宮で働けることに満足そうな表情を浮かべた。その姿は、「朝鮮王朝三大悪女」の1人には見えなかった。

文=康 熙奉(カン ヒボン)

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