貞明公主はどんな性格の王女だったのか

苦難の多い人生

貞明公主が息子に残した文書には次のように書かれてあった。
「私が願うのは、お前たちが他人の過ちを聞いたときに、まるで父母の名前を聞いたときのように耳だけにおさめて、口では言わないということだ。他人の長所や短所を取り上げるのが好きだったり、政治や法令を途方もなく言い争ったり……そんなことはとても憎むべきことである。さらには、死んだあとであっても、子孫の間でそんな行ないが起こったとは聞きたくない」




要約すれば、「人の悪口を言わない」「人の欠点をあげつらうな」「政治や法律で言い争うな」「子孫たちが仲良く暮らすように」ということだろう。
貞明公主の人生には苦難が多かった。その中で、彼女は必死に耐えて正しく生きてきた。そのことを彼女は子供たちに伝えたかったのだろう。
結局、貞明公主は控えめだが、芯の強い女性だった。
彼女は、1685年に82歳で亡くなっている。

文=康 熙奉(カン ヒボン)

康 熙奉(カン ヒボン)
1954年東京生まれ。在日韓国人二世。韓国の歴史・文化と、韓流および日韓関係を描いた著作が多い。特に、朝鮮王朝の読み物シリーズはベストセラーとなった。主な著書は、『知れば知るほど面白い朝鮮王朝の歴史と人物』『朝鮮王朝の歴史はなぜこんなに面白いのか』『日本のコリアをゆく』『徳川幕府はなぜ朝鮮王朝と蜜月を築けたのか』『悪女たちの朝鮮王朝』『宿命の日韓二千年史』『韓流スターと兵役』など。最新刊は『いまの韓国時代劇を楽しむための朝鮮王朝の人物と歴史』

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