廃妃・尹(ペビ・ユン)氏!王の顔に傷をつけた王妃

仁粋大妃の策略

実家に戻った尹氏は、自分が犯した罪を深く反省して質素に暮らしていた。彼女が王宮を追い出されてから3年後の1482年、成宗は「尹氏が反省しているようなら王宮に戻してあげよう」と思い、宮中でも尹氏に同情する者たちが出始めた。こうして、尹氏が王宮に戻れる可能性が出てきた。
成宗の命令を受けて、尹氏のもとを訪れた使者は、彼女がしっかりと反省して謹慎生活を送っているのを確認した。使者は、そのとおりに報告しようと思ったが、成宗のもとへ戻る途中で仁粋大妃に呼び止められて、こう言われた。
「尹氏はまったく反省しておらず。傲慢な暮らしをしていたと報告しろ」




仁粋大妃にそのように脅された使者のもとに、尹氏と敵対していた側室の厳氏と鄭氏が現れて、使者を金銀で買収した。実際には尹氏がしっかりと反省している様子を見た使者なのだが、成宗にありもしない事実を報告してしまう。それを聞いた成宗は当然のように激怒して、尹氏を死罪にした。(ページ4に続く)

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