簡潔に読む!韓国の歴史〔百済の歴史(前編)〕

最初の首都は現在のソウル近郊

兄弟の中で、沸流は建国に失敗して自害せざるをえなくなった。
あまりにも悲惨な最期であった。
その一方で、温祚は周辺の部族集団を傘下におさめながら勢力を拡大し、紀元前18年についに十済(シプチェ)という国を建国した。
これが百済の始まりである。




温祚は初代の王となった。都は、現在のソウル近郊にあたる慰礼城(ウィレソン)に築いた。
以上の経緯を『三国史記』は書いているが、歴史的にどの程度の信憑性があるかは現在も多くの議論を呼んでいるところである。
とはいえ、今の韓国でも、「百済は朱蒙の息子が作った国」という認識を持っている人が多いのも事実だ。
朝鮮半島の西南部は平野が多く、今でも韓国有数の穀倉地帯になっている。
こうした肥沃な大地を抱えているという地形的な利点を生かしながら、百済は徐々に勢力を拡大していった。
(後編に続く)

文=康 熙奉(カン ヒボン)

固定ページ:
1 2

3

関連記事

ピックアップ記事

必読!「悪女たちの朝鮮王朝」

本サイトには、「悪女」というジャンルの中に「悪女たちの朝鮮王朝」というコーナーがあります。ここでは、朝鮮王朝の歴史の中で政治的に暗躍した女性たちを取り上げています。
朝鮮王朝は儒教を国教にしていた関係で、社会的に男尊女卑の風潮が強かったのです。身分的には苦しい境遇に置かれた女性たちですが、その中から、自らの才覚で成り上がっていった人もいます。彼女たちは、肩書社会に生きる男性を尻目に奔放に生きていきましたが、根っからの悪女もいれば、悪女に仕向けられた女性もいました。
「悪女たちの朝鮮王朝」のコーナーでは、そんな彼女たちの物語を展開しています。

もっと韓国時代劇が面白くなる!

韓国時代劇によく登場する人物といえば、朝鮮王朝の国王であった中宗、光海君、仁祖、粛宗、英祖、正祖を中心にして、王妃、側室、王子、王女、女官などです。本サイトでは、ドラマに登場する人物をよく取り上げています。

ページ上部へ戻る