英祖(ヨンジョ)と思悼世子(サドセジャ)〔第4回/米びつに閉じ込められた世子〕

 

英祖(ヨンジョ)は意地になって、「たったいま世子(セジャ)を廃したのだが、史官はちゃんと聞いていたのか」と大声を出した。史官といえば正式な記録を残す官僚である。英祖は、自分の言葉を正式な文書に残すことをはっきりと要求した。

dsc_0061

懇願する世子

思悼世子(サドセジャ)は泣き続けていた。震えがとまらず、顔は恐怖におののいていた。
彼はいったん英祖の前を離れて、外に出ていた側近たちに近づき、「どうすればいい? 誰を頼ればいいのか」と尋ねた。
側近の1人が「再び殿下の前に出て処分を待つしかありません」と答えた。
確かに、その通りだった。この場から逃げても、有利になることは一つもなかった。
思悼世子は泣きながら再び前庭に出て、ひざまずいて地面に額をこすりつけた。




「過ちを改めて今後は正しく生きますので、どうか許してください」
思悼世子は何度も何度も哀願した。
すると、英祖は驚くべきことを話し始めた。
「映嬪(ヨンビン)が余になんと言ったと思う? そなたがいかに世子にふさわしくないかを泣きながら訴えてきたのだ。もはやこれまでだ。そなたが自決しないかぎり、この国は安泰とならない」
この言葉を聞いた誰もが信じられない思いだった。(ページ2に続く)

英祖(ヨンジョ)と思悼世子(サドセジャ)〔第5回/不可解な生母の意図〕

仁祖〔インジョ〕/朝鮮王朝おどろき国王列伝3

光海君〔クァンヘグン〕・前編/朝鮮王朝おどろき国王列伝1

仁祖(インジョ)はなぜ昭顕(ソヒョン)世子の一家を滅ぼしたのか

ページ:

1

2 3

関連記事

本サイトの構成

本サイトは以下のジャンルに分類されています。
左側の上にカラーで色分けされたジャンルがありますので、それぞれにクリックして目的のジャンルにアクセスしてください。
[各ジャンルの紹介]
●国王列伝/事件簿
 ・おどろき国王列伝
 ・三国高麗国王列伝
 ・事件簿
●朝鮮王朝劇場
●時代劇の主人公
●悪女/奇皇后
 ・朝鮮王朝三大悪女
 ・悪女たちの朝鮮王朝
 ・奇皇后 
●華政/イニョプの道
 ・華政/韓国時代劇
 ・イニョプの道
●オクニョ
 ・登場人物
 ・豆事典
 ・歴史解説
●朝鮮王朝人物列伝
●日本と韓国の歴史
 ・歴史探訪
 ・韓国の歴史
●歴史事典/編集部
 ・歴史事典
 ・編集部

ページ上部へ戻る