日韓近世史が面白い!〔朝鮮出兵後の国交回復(前編)〕

国書も偽造?

次に、麻多化之(27歳)の申し開きである。

俺はもともと対馬の人間で、藩の砲手になりました。藩主が鷹狩りに行ったときに従いましたが、命令にそむいた罪をおかして獄につながれました。縛られて船に乗せられ、ここまで連れてこられました。朝鮮の土地はこれが初めてで、陵を荒らした犯人だなんて、まったく知らないことです。それなのに、藩の人が俺に『お前が朝鮮に行って余計なことを言わないで我々に尽くしてくれたなら、お前の母、お前の妻の面倒はすべてよく見てあげよう』と言いました。俺はここに来て、その“尽くす”ということが、このように問い詰められることだと知った次第です。

ここまで詳しく陳述されれば、朝鮮王朝でも、送られてきた罪人が陵墓荒らしの犯人ではないとわかる。
しかし、真犯人を特定できないのも事実。差し出された罪人を受け入れることで体面を保つという方法も朝鮮王朝で検討された。
それよりも大きな問題となったのが国書のほうだ。その書面が従来の形式を踏襲していなかったのだ。朝鮮王朝でも、国書が正式なものでないことがすぐにわかった。
それなのに、朝鮮王朝が取った対応は意外なものだった。
果たして、何が意外だったのか。
(中編に続く)

文=康 熙奉(カン ヒボン)

出典=『徳川幕府はなぜ朝鮮王朝と蜜月を築けたのか』(著者/康熙奉 発行/実業之日本社)

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